ライターに求められるのは”書く”ことではなく”伝える”こと

ひと昔前、紙媒体が主流だった時代には、ライターというのは専門職としての位置付けだったように思います。

現在でも雑誌記者や新聞記者など、一部のライター職は狭き門だと聞きます。

現代はwebメディアという新しいジャンルの媒体が誕生したことで、専業・兼業を問わず、非常に多くのライターが活躍する時代となりました。

ライターの総人口が増えたのは非常に喜ばしいことですが、巷に溢れかえる「ライター」と、企業が求める「ライター」にはギャップがあるように感じます。

今回はディレクションをしている者やメディアを運営している者が「ライター」に求めていることについてお話します。

「調べて書く」は当たり前

「ライターの仕事は何ですか?」と聞くと、「依頼された企画内容に沿って情報を調査・整理し、記事を書くこと」とお答えになる方が多いです。

平たく言えば「調べて書く」ことですね。

この答えは間違いではないですし、これが完璧にこなせれば継続的にお仕事をいただくことも可能でしょう。

しかし、ライターに求められていることは、ズバリ「ユーザーに伝える」ことです。

メディアの存在意義

まずは「メディアの存在意義」について考えてみましょう。

企業がメディアを運営する際には、必ず「存在意義=役割」を設定しているはずです。

価値のある情報を提供する、最新の情報を提供する、ユーザーの生活を豊かにする、ユーザーに感動を与える、ユーザーを笑顔にするなどメディアの役割は様々ですが、一貫しているのは「何かをユーザーに伝える」ことです。

この「何か」の部分が企業やメディアによって異なるだけで、メディアの本質的な意義は「伝える」ことです。

メディアは小さなコンテンツの集合体ですから、コンテンツの役割もメディア全体の役割と同じく「ユーザーに伝える」ことです。

コンテンツを作成する場合は、記事だろうと、写真だろうと、動画だろうと、この役割を果たすことがミッションです。

メディアがユーザーにどのようなことを伝えるために存在しているのかが分かれば、コンテンツが伝えるべきこともおのずとわかるはずです。

コンテンツが伝えるべきことがわかれば、後はその内容が伝わりやすい記事を書くことがライターの仕事です。

「伝える」ことを意識するのが一流

ライターは記事を書いたらそれでお終いですが、記事の先にはメディアがあり、メディアの先にはユーザーがいます。

ライターの仕事はメディアの先にいるユーザーに伝えることです。

「ユーザーに伝わる記事を書く」と言い換えても良いかもしれません。

知識や経験、語彙力も重要な要素ではありますが、それらはユーザーに伝えるためのツールでしかありません。

ユーザーがいること、伝えることを意識して記事を書けるライターこそが一流であり、そんなライターを企業は求めているのです。